鍼灸師になろうと思うまでの道のり

鍼灸マッサージ耳つぼの ふわ丸です。 さいたま県 白岡市の鍼灸院。 腰痛 頭痛 肩こり むくみ 不妊 安産、ダイエット 小顔リフトアップ 若返りなどでお悩みなら。 鍼灸院、ふわ丸にお電話ください。

私が鍼灸師になろうと思うまでの道のり。

子供の頃の興味

私は子供の頃、まったく違う二つのことに興味がありました。
一つは、テレビか何かで見た、アジアやアフリカなど発展途上国などに
学校や、橋を建てる人になりたいという思い。

 

もう一つは、ヒトの体。なぜ私たちは病気になるのか、
なぜ、人によって運動神経が違ったり、性格が違ったり、得手不得手があるのか。
とても不思議で、興味がありました。

 

しばらくずっと、両方への興味があり、ある時見つけたのが
「国境なき医師団」という団体です。

 

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国籍や国境など関係なく、本当に医療を必要としている人に手を差し伸べる。
そういう団体を知ったとき、私は小さいころからずっと興味があった
二つの事柄をどちらも同時に叶える道を見つけました。

 

そして医師になることを決めたのです。

 

必死に勉強しました。もともと英語は得意でしたし、他の科目も成績が上がってきました。
最後まで上がらないのが、数学・・・。
結局数学が足を引っ張り、2浪した結果医学部をあきらめ
生物について勉強できれば良いと思い、併願した中で一番面白そうだった
東京理科大学の基礎工学部というところに決めました。

 

 

 

分子生物学という学問との出会い

この学部は、1年生のキャンパスが北海道の長万部(おしゃまんべ)というところにあり、
キャンパスの中に寮があります。学生は皆、そこで共同生活をします。

 

山に登っても、スキーをしても単位がもらえるという。
しかも寮で学友と共同生活という、外国のような仕組みが面白そうで、理科大に決めました。

 

私の専攻学科は、生物工学科という学科で、当時、ひつじのドリーができたばかりだったり、
幹細胞というコトバが騒がれ始めたころで、「バイオ」という世界がとてもアツい時期でした。
その学科では、最先端のバイオが学べるということでした。

 

ただ、当時の私はバイオや、生物などのことについて全くの素人です。
いったいそこでなにが学べるのか、まったくよく分からないまま入学しました。

 

入学して分かってきたことは、私の専攻している学科は
0.00000001メートルという世界を扱うということです。
分子生物学と言われる学問で、ものすご~くミクロの生物学を扱う学科でした。

 

一番大きな単位が細胞です。
よく、カゼ薬などで咳中枢のレセプターをブロックしてなんちゃら~という
コマーシャルなどがありますが、あのような世界を中心に扱います。
再生医療とか、遺伝子組み換えとか、そういうことをやっていました。

 

マウスの背中にヒトの耳がくっついている映像をテレビなどで
見たことがあるかもしれません。あのようなことをします。

 

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あれは、免疫をもっていないマウスに人間の耳をつくらせています。
ある人が何らかの原因で耳を失ったとします。
例えばですが、誰かほかの人の耳をくっつけようとしても、
自分の細胞でできていないために、その耳は拒絶されてうまくくっつきません。

 

でも、、免疫をもっていないマウスには、自分自身の細胞から作成した耳を作らせることができるのです。

 

耳を失ってしまった人にとって、これほどうれしいことはないですよね。
耳がくっつくわけです。素晴らしい技術です。
でも、とても不自然なことをしているようにも感じました

 

 

遺伝子を解析して、出生前に遺伝病の子供が生まれないか、
染色体異常の子供が生まれないかなど出生前診断をするような技術を扱っていたり。

 

私には、これらの事柄が、なんというか、神の領域というような気がして
人はもっと自然に、ナチュラルに、自分たちがもともと持っている力を使ったり、
不自然なことをせずに、生きることができるのではないだろうか、そんな風に考えるようになり

 

ました。

 

分子生物学は素晴らしい技術ですし、学問としても非常に面白いです。

 

ものすごく勉強もしました
大学の広大な図書館の、どこにどんな本があるか、全て把握するほど
あらゆる専門書を読みあさり、先生にも質問をしたり、議論をしたり、
様々な角度から考えるトレーニングをしました。
学会やシンポジウムなどにもたくさん参加して、猛烈に勉強しました。

 

自分の中で生まれた葛藤と、大切な価値観

でも、勉強すればするほど、葛藤が起こりました

 

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勉強すればするほど、倫理的にどうなんだろうと悩んでしまったんです。
この分野を一生の仕事として私はやっていけるのか。
自分自身が、辛すぎないのか。

 

同じ勉強をしていても、悩むことなく突き進んで行ける人もいました。
でも、私はそうではなかった。
おそらく、自分自身の性格や、それまでの経験などから得てきたものの考え方の問題でしょう。

 

私の倫理観、価値観からは、どうしても不自然に思えてしまいました。

 

私たちが何かを研究する時、もちろん、すべてがこうではありませんが、
例えば、
試験管の中に人工的な環境を作り、そこに細胞を一つ入れます。
そして様々な実験を行っていったりします。(とてもシンプルに話しています)

 

でも、とても私にはこれが不思議に思えたんです。

 

なぜなら、私たちは、細胞一つで生きていません
細胞が並び、その細胞同士は、相互作用を起こしています
そして、細胞が集まり、組織ができ、器官ができ、個体ができます
そしてその個体である私たちは、
人から影響をうけたり、社会から影響を受けたり、自然界から影響を受けたりして、
様々な刺激を受けながら生きています

 

だから、
細胞を単離してきて、実験をしている毎日と、
私たちの身体、私たちが生きている状態とが、どうも大きなギャップがあるように
思えて仕方なかったのです。

 

私たちの身体は部品ではありません。
私たちは人工的な環境で生きているのではありません
もっと、個体レベルで、個体と個体の相互作用、個体とまわりとの相互作用など
そういう大きな視点でヒトをとらえていかなければならないのではないか
そういうことが、
自己免疫疾患や、生活習慣病など、昔はなかったような病気が
起こるようになった現代では必要なのではないだろうか。

 

そう考えるようになってしまったのです。

 

分子生物にしかできないこともあります。だから、絶対に必要な学問です。
でも、私のように考える人間は、ここにいてはいけない
そう理解しました。

 

それから将来をどうしたらいいのか、
もう少し大きな目線で研究している研究室を探さなければと思い、
その後も意欲的に勉強しました。
悩みすぎて、何かを求めてアフリカにも行きました(笑)

 

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初めての鍼との出会い

そして、ある日、めったにつけないテレビをたまたま付けた時の事。
とても興味深いことをやっていたのです。

 

それは、鍼を刺して、神経系にアプローチすることで、免疫系を活性化し
ナチュラルキラー細胞という、癌細胞を食べると言われている細胞を活性化することで
癌を治すという試みをしているという研究でした。

 

しかし、鍼というものは、医学的に根拠が明確に証明されていないということから
保険が効かないために、日本全体には浸透しにくいという点や、

 

この研究をしている教授も、最先端の医学を研究する学者たちからは
異端児扱いを受けているということをテレビで言っていました。

 

私はこれを見た瞬間、ものすごく興奮しました。

 

医学的根拠がはっきりしていなかろうが、これからは絶対にこういう技術が必要になってくる。
こういうことこそ、必要になってくる
そう、確信したんです。

 

医学的根拠がないために光が当たらないなら、私がその根拠を証明してやろうじゃん!
これからは、絶対にこういうことが必要な世の中になるんだから。

 

そのテレビを見た時、私は大学3年生の初夏くらいのことでした。
大学院に進学するために4年生の頃から、自分で志願して、望む研究室とつながりをつくれば
うちの大学は、外研といって、外の研究室に行くことが許されていました。
4年から、このテレビで見た教授がいるという新潟大学に行こう!そう強く思いました。
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そして母に電話しました。
来年から新潟大学に外研行こうと思っている旨を話したのですが・・・
テレビで見たことを話すと、母は、あんたを異端児扱いされるために大学に入れたんじゃない。

 

と、猛反対でした。

 

親に歓迎されないことをしてでも、進んでいい道なのか当時の私にはわからず、
気にはなっていたものの、諦めてしまいました。
そして就職活動を開始しました。

 

就職も、ぼーっと就職活動なんかしませんでした。
徹底的に自己分析をしました。自分の中のコアはなんなのか、
どういうビジョンを大切にしている職場で、自分は働きたいのか。

 

悩みまくりました。
自分はどんなことを大切にしたいのか、なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?と上から掘り下げる方法。
会社説明会でいいなと思った会社があれば、なぜこの会社をいいと思った?
なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?
小学生の教科書のような本を買って、自分がその本のどんなところに感動したか、
なぜ感動したか、なぜ?なぜ?なぜ?と、
いろんな角度から、自分の感性、価値観、そういうことを掘り下げました。

 

 

 

死を突きつけられて、気が付いたこと

そしてそんなある日、4年生に進学した際受ける、健康診断でひっかかりました

 

私は生まれつき、右目の上(まぶたあたり)が青いんです。
わりと鮮やかな青色で、アイシャドウのような感じなのですが、
子供の頃は「、お父さんになぐられたの?」と聞かれ(笑)
ある程度の年齢になると、「彼氏に殴られたの?」と聞かれ(笑)
結婚し、子供を妊娠して産科に通うようになると
「もしかして、DVにあっていいない?」と看護師さんからこっそり聞かれ(笑)

 

そんなおもしろエピソードを作り出す、青いアザのような青いものがあります。

 

 

子供の頃、皮膚科で
「これは太田母斑といって、20歳くらいまでに広がることがあるが
そのころまでに広がらなければ、このまま特に害もない」と言われていました。

 

20歳までに、私のそれが大きくなることはなく、アイシャドウ様のままでした。

 

 

その、目の上の青いものについて、たまたま大学の健康診断で
医師から、突然こんなことを言われたのです。

 

 

 

 

これはスタージウェーバー症候群と言う血管腫の一種で、
これだけ鮮やかなアザはかなり死期が近い

 

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ただの、大学の健康診断です。
とっくに太田母斑として決着がついていたアザです。

 

今更、なに??
スタージウェーバー症候群って??
死期が近いってなに??

 

 

あまりのことに、脳みそが処理しきれなくて、ボーっとして、
ただ、はい、はいと話をきいていました。
脳血管のMRIなどを取るように言われて、病院に予約をしてから検査の日までは
かなり動揺していました。

 

信じられないという気持ちはありましたが、死ぬという言葉に、
しかも死期が近いという言葉に、かなり動揺しました。

 

もうすぐ死んでしまうなら、その間に私は何がやりたいだろう?
自分が大切にしていること、どんな生き方がしたいのかなど
今まで、就職活動の中でさんざん考えてきたことに近いテーマです。
とんでもない形で、私の前に突き出されました。

 

そして、死んでしまうのなら行きたいところがある

 

今までさんざん考えてきた事だと思っていましたが、
少し形を変えて問われたとき、簡単に答えがでました。

 

それは、アメリカ、ウエストバージニアにある
パッチアダムスの病院に行きたいということでした。

 

なぜ、ここに行きたいと思ったのか。
それは、私自身が、満たされたい、幸せになりたいと思ったのです。

 

パッチアダムスは、ロビンウィリアムスが主演で映画になりました。
私自身も、その映画で存在を知り、本を読んだり、HPを見たりして
より知るようになりました。

 

パッチは、愛と笑いをとても大切にしている医師で、病院のピエロのような
ことをするようになったパイオニア的存在です。

 

笑いによって、血圧が正常になったり、免疫細胞が活性化して病気を予防
できたり、笑いは様々な良い要素があります。

 

そして、パッチは、心と病の問題もとても大切に考えている医師で、
心が病むことでヒトは病気になると考える医師でもあります。
だからこそ、愛やハグによって、病気になった人を包み込むような
そんなドクターなんです。

 

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パッチの病院は、
ただ病気を治すというところではありません。

 

病気に目を向けるのではなく、病気になった人そのものに目を向ける
そして、
患者、医者というへだたりを持たず、一生の友人として時を共にすごし、
共同生活をするのです。
芸術活動をしたり、園芸活動をしたり、それらの中で喜びや協力や
生きがいなど多くの事を得ていきます。とても興味深い病院です。

 

 

もうすぐ死んでしまうかもしれない。
そう思った時、本能的に、自分自身が満たされたいと思ったのが一つでしょう。

 

そしてもう一つは、自分の専攻を学んで来て考えてきたことが
影響しているのだと思います。

 

私たちの身体は、部品ではないということ
人というのは、いくつもの部品がくっついて、一人の個体ができているという
単純なものではない、ということ。
さらに私たちには心があるということ
そして、その私たちは、社会や、人間関係や、自然界などなど外的要因から
刺激や影響を受けながら生きているということ

 

どこかが壊れたからと言って、どこかを交換すればよいというものではないと、
私は思う人間です。
もちろん、そう思わない人もいますから、これは価値観の問題です。

 

こう思う私には、ただ病気に目を向けるのではなく、
病気になったその人そのものに目を向け、治療に取り組んでいくという
パッチの病院で残りの時間を過ごしたいと思ったのだと思います。

 

 

結果として、何も問題もなく、ただのドクハラに合ったような状態だったのですが、
私にとっては、どんなことを大切にして今後の人生を歩んでいきたいのか、
明確になった良い機会となりました

 

 

 

自分の中のコア、よくいきるということ

自己分析してきたり、今回の死の宣告により、明確になった私のコアの部分は、
「良くいきる」ということ。
清く正しく、まっすぐ生きるとか、そういうことではありません。

 

自分の人生や、自分の時間、そういうものを少しでも良い状態を求めて生きていく。
クオリティオブライフ(QOL)(人生の質)という言葉がありますが、まさにそれです。
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だれかのQOLの向上に関与し、
そういうことを大切にしようと思う会社、そういう方向のことを考えている会社ならば
分野は関係ない、そう思って就職活動をしました。

 

その結果、一番行きたいと思った会社に入社が決まりました。
不動産の会社でしたが、
サービスを提供しようとする心イキが、
良く生きるということに全力で取り組んでいるのが伝わってくる会社でした。

 

臨床への回帰。そして鍼灸師の道へ

就職も決まったし、研究では進まないので、
4年生の1年間を研究室一色になるのもつまらないと思い、
駅の構内にあるドラッグストアの中でアルバイトを始めました。

 

研究室が始まる前、朝6時から8時半まで働きました。
そのドラッグストアには、とても信頼ができて、的確なアドバイスができる薬剤師
免許を持った人が店長をしていました。

 

朝6時~8時半というと、通勤の人が多い時間です。
お店には、いろんな人が来るのですが、こういう人も多かったのです。

 

 

体調がすっごく悪いのだけれども、どうしても外せない仕事があって行かなければならない。
何か良い薬は無いか。

 

カゼを引いていて熱もあるのだけれど、どうしても会議に出なくてはならないんだ。
なにか、良い薬などないか。

 

出張にいくのだけれど、体調がすごくわるいんだ。何か元気がでるようなものはないか。

 

このようなお客さんがとても多かったんです。
その人たちの質問に、店長は、具体的にどんな具合?と素早く聞いて
それなら、これとこれとこれ。こっちを先に飲んで、その後このドリンク剤ね。とか、
とても適格にアドバイスしていました。

 

 

そういうのを毎朝見ていました。
すごいなぁと思っていました。

 

そんなある日、普段は朝だけ働いて研究室にいきますが、
昼間に電話が来て、今日夕方~閉店まで人が足りないのだけれど、来れない?というもの。

 

研究室は自分のペースでできますから、大丈夫と答えて、初めて、夕方のお店を手伝いました。
すると、朝とはまた全く別のドラマがあったんです。

 

その日は、朝も働いていましたので、朝来たお客さんはなんとなく覚えていました。
閉店が近い時間、お店で働いていると、朝、店長にアドバイスをもらったお客さんが、
あんた、それ絶対食べないよね!というような、お菓子とかを買いながら、

 

今日は本当に助かったよ~

 

と、店長にありがとうを言うためだけにお店に立ち寄ってくれるお客様がいたんです。
それも、1人ではありません。
たくさん。たくさん。

 

私は、その光景を見て感動してしまって、仕事中なのに泣いてしまったんです。
ぽろぽろ。そのうち、ぼろぼろ

 

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すごいなって。
やっぱり、臨床やりたいなって。

 

 

就職活動をしていたときは、
良く生きるということを追求できるのならば、分野は関係ないと思っていました。

 

でも、やはり、医学、臨床への思いが今回の出来事で掘り起こされました。
臨床。どうしたらいいのか。。。

 

その時思い出したのは、テレビで見た、あの鍼の話でした。
まずは、新潟大学で鍼を使った免疫の研究をしている先生に会いに行きました。
そして色々とお話を伺うなかで、
研究をするのではなく、鍼灸の臨床をやる側になろうということを決めたのです。

 

こうして、私は、鍼灸師になることを決めました

 

 

 

鍼灸にもさまざまあるんです。
技術面もそうだし、
あと多分、どういうことに重きを置くかといこと。

 

その様々ある鍼灸のなかで、私がやっている鍼灸はおそらく、
かなり独自のスタイルだったり、考えというか、思想というか、
そういうものが入って出来上がった鍼灸施術です。

 

 

それらは、以上述べてきたようなな経緯があって、できあがってきたことです。

 

 

今、あなたがこの文章を読んでくださっているということは、
こんな長文を最後まで読んでくださったということ。

 

ありがとうございます!
私は、こんな鍼灸師です。
どうぞ、よろしくお願いいたします^^

 

 

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